■戦国武将の名言/ビジネスで活かす戦いの知恵/3

前田 利常


「経験のない者が説く軍法など、何の役にも立たない」


言葉/前田 利常


西田という浪人がある時、利常の納める城下町に来て軍法を教えた。なかなか面白いので、前田利常の部下も大勢門人になった。
これを聞いた利常がこう言った。
「聞けば西田という浪人は、一度も合戦に出たことがないという。一度も戦場に出なくて、なぜ戦争の仕方が説けるのか?そんなものは畳の上の水泳と同じで、なんの役にも立たない。むしろ害になる」
利常のこの言葉を聴いた藩士たちは、以後いっさい、経験のない者の軍法には耳を傾けなかったという。


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利家・利長・利常 前田三代の人と政治

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■戦国武将の名言/ビジネスで活かす戦いの知恵/2

武田信玄



「したいことをするな。嫌なことをしろ」


言葉/武田 信玄


武田信玄は、暇があるとよく部下を集めて話をしたり聞いたりした。ある時、
「人間というのは、身分が高かろうと低かろうと、自分の身を保っていくために大切なことが一つある。何だと思う?」と訊いた。
部下たちは互いに顔を見合わせて、
「ちょっと思い当たりません。身分の高下を問わず、共通して身を保つに必要ないことというのは、いったい何でございましょうか?」と訊いた。
信玄は答えた。
「私が自分を戒めているのは、自分の好きなことはなるべくしないこと。むしろ、嫌だなと思うことをするように努めている。これがいま身を保っている理由だ」
これは同時に、「嫌なことから先に手をつける。嫌なことというのは、どうしても先延ばしをしたり、あるいはやらないように横着(おうちゃく)を決め込む。しかし、これが自分を弱くする。自分の好きなことばかりしていたのでは人間は強くならない。また、他人のためにならない。目の前に嫌なことと好きなことが並んでいたら、嫌なことの方から手をつけるべきだ」
ということだった。


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信玄の戦略―組織、合戦、領国経営

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■戦国武将の名言/ビジネスで活かす戦いの知恵/1

上杉謙信



「その道のプロにならなければ、情報は集まらない」


言葉/上杉 謙信


上杉謙信は、情報を集めることにかけては武田信玄と同じように鋭い感覚を持っていた。
謙信は、他国にスパイを派遣するときは、必ず商人に仕立てた。それも、越後特産の蝋燭(ろうそく)、金引、鮭の塩引、黄蘗紙(おうばくし)売りなどの商人に仕立てた。
そして派遣したスパイからは、そこの国主の人望、人気、住む人々の人情、地理地形、産物、攻め口、兵力などをつぶさに調べさせた。
「商人として専門家になれ」
と言った。
付け焼刃やメッキの商人では、必ず相手国に見破られると思ったからである。したがって、謙信が派遣するスパイは、商人としても一角(ひとかど)のプロだった。


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上杉謙信に学ぶ事業承継

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戦国武将の名言/部下指導の心得/12

真田 幸村



「部下ほど難しい存在はない」


言葉/真田 幸村


智将・真田幸村は、部下を見る眼が鋭く、また心配りが豊かだった。幸村の言葉だ。
「どんなに忠臣でも、一度恥を与えると必ず主人を憎むようになる。忠臣であるほど、その扱いは気をつけなければならない。また諫言をよくする者には、聞く側が聞く時の態度に気をつけなければならない。少なくとも、その諫言によって気分を悪くしたり、あるいはそのことを表情に表すと、諫言をする者は、やがてはしなくなってしまう。こういうことを言うと、うちの主人は機を悪くする。それなら言わないほうがいいと思う。そうなると、意見が出てこない。耳に当たりのいい意見ばかり告げられるようになる。これは、トップが道を誤る最初の躓きだ。したがって、諫言を聞くときは、相手の顔を見ない方がいい。ちょっと俯いて、その者の胸元あたりを見ていると、言うことが素直に耳に入ってくる。こういうように、人間対人間の関係というのは、どんなにすぐれた主人や忠臣であっても、非常に難しいものだ。そのためには、油断はできない。いつも緊張して、部下とも対さなければならない」


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真田幸村 伝説になった英雄の実像

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戦国武将の名言/部下指導の心得/11

堀秀政



「悲しい顔つきの男は葬式に使え」


言葉/堀 秀政

堀秀政はいつも泣き顔をしている部下が一人いた。そばにいると憂鬱になるので皆が嫌がった。なかには、
「あんな顔を見ているとやる気が失われます。追放してください」
という者さえ出た。堀秀政はこう答えた。
「どんな人間にも必ず使い道があるはずだ。あの泣き顔は、私の変わりに葬式に行かせることにしろ」
泣き顔の男は感動した。つまり、殿様の代理で葬式にいけるからだ。男は張り切って泣き顔を活用した。葬式を出した側では礼を言いに来た。
「堀さまとはそれほど深いご縁でもございませんのに、亡くなりました者のためにあれだけお嘆きくださる代理を頂戴しまして、お礼の申しようもございません」
その使いが帰った後、堀秀政は皆に、
「ほら見ろ。どんな人間にも必ず使い道があり、かえって世間で喜ばれる」
と言って笑った。


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戦国武将の名言/部下指導の心得/10

武田信玄



「臆病者は使い道がある」


言葉/武田 信玄


武田信玄の部下に岩間という侍がいた。ひどく臆病者でいつも戦争を嫌がった。無理やり馬に乗せて連れて行こうとしても、馬の背にしがみついて、
「いやだ!いやだ!」
とわめく。家臣たちは呆れて信玄に、
「こんなやつは首にした方がいいです」
と言った。ところが信玄は首を振った。
「臆病者にも使い道はある」
そう言って岩間に館の留守を命じた。岩間は感動して、留守中に館を徹底的に掃除し、また残っている者が内緒話をしていると、それを全部、信玄に報告した。信玄は、
「岩間、よくやった。これからは合戦に出るたびにおまえに留守の束ねを命じよう」
と言った。
岩間は感動して信玄たちが留守になるたびに、不平不満を言う者が一人もいないように、適切な管理をしたという。


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家康の父親は武田信玄だった!

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戦国武将の名言/部下指導の心得/9

徳川 秀忠



「過失者は生まれ変わらせて使え」


言葉/徳川 秀忠


徳川秀忠は二代目の将軍だ。どちらかというと損な立場だった。というのは、父親の家康があまりにも優れた人物だったからだ。
また、子供の家光がこれまた優秀で、やる気のある将軍だった。そのため、間の中継ぎ役の秀忠は「父家康に似ないお人よしだ」とか「決断力に乏しい」とか言われていた。
しかし、秀忠は決してそんな人物ではない。絶妙な中継ぎとして徳川家を安泰に導いた。
この言葉は正確には、
「人を用いるに、過失をもってこれを棄(す)つるなかれ。よろしくその自新を許すべし」
である。人間が過ちを犯しても、それだからといってすぐ見限ってはならない。むしろ、本人の自己改革に期待して、いつも生まれ変わらせて使うことだ、という意味である。
部下が失敗すると、よく「いったい何をやているんだ!」と怒鳴りつけるリーダーがいる。そして見限ってしまう。
秀忠は、
「そんなことをしてはいけない。それでは、その人間が二度と立ち上がれなくなる」
と言う。秀忠は、
「失敗した人間は、自分で自分を変えるように仕向けるべきだ。だから、失敗したことをみんなで始末するときも、失敗した人間を除くのではなく、むしろお前も参加しろ、新しく生まれ変わって潜在している可能性を自分で引き出せ、と言うべきだ」
と言った。
こでが家康と家光の橋渡しとして、秀忠は多くの部下から慕わせたところである。


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徳川三代葵新聞―家康・秀忠・家光をスクープする!

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戦国武将の名言/部下指導の心得/8

立花 宗茂



「秘密を持たなければ、監察役など不要だ」


言葉/立花 宗茂


九州の大名細川忠興が、ある時、九州の猛将「立花宗茂」に訊いた。
「あなたは家中の運営に、まったく苦労なさらないと伺いましたが、なにか秘訣はおありですか?」
宗茂は答えた。
「寝屋で話すことも全部、部下に細大漏らさず告げています。秘密を持たなければ、目付けのような監察役はいりません。したがって、私の家中では人間が人間を監視するということはまったくありません。皆、信頼しあっているので、家の営みもうまくいっております。」


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戦国武将の名言/部下指導の心得/7

細川 忠興



「部下は将棋の駒と思え」


言葉/細川 忠興


細川忠興が自分の息子に向かって言った戒めだ。息子が、
「これから私は、部下に対してどのような態度で臨めばよろしゅうございますか?」
と訊いた。忠興は、
「部下は将棋の駒と思え」
と答えた。将棋の駒はそれぞれの働きがある。飛車はよき補佐役、角は思い切って仕事を進める重役、金銀は忠実な中間管理職、桂馬や香車は思い切って仕事をする現場のリーダーだ。が、忠興はこう付け加えた。
「しかし、いちばん大事にしなければいけないのは歩だ。歩を大事にしない王はやがて窮地に陥る」
息子はなるほどと、忠興の教訓をありがたく聞いた。


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江戸城の宮廷政治―熊本藩細川忠興・忠利父子の往復書状

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戦国武将の名言/部下指導の心得/6

鍋島 直茂



「勝った時には褒美を、負けたときには優しい言葉を」


言葉/鍋島 直茂


鍋島直茂は、こう言った。
「勝ち戦の時には、褒美をたくさん与えるのが良い。しかし、負け戦のときは、褒美を与えても駄目だ。それよりも優しい言葉をかけるほうが効果がある。優しい言葉というのは、お前たちはいったい何をやっていたんだ!と負け戦の犯人探しで、部下の責任を問い責めるようなことをしないことだ。今日はうまくいかなかったな、今度は一緒に勝つ方法を考えよう。皆、よくやった、というようなことを言えば、部下たちも発奮するに違いない。自分の責任を棚にあげて、部下ばかり責めても、いよいよ部下の心は離れてしまう。トップたる者はこういう心がけが必要だ」


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葉隠の名将鍋島直茂

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